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日本酒の製造工程
「杜の蔵」では純米酒のみを製造しておりますので、
純米酒(純米吟醸酒)づくりをご紹介します。
※見出しをクリックすると、説明が表示されます。
- 1.原料米 click
福岡県産の「山田錦」と「夢一献」
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「杜の蔵」で使うのは糸島産「山田錦」と三潴産「夢一献」。いずれも福岡県内で契約栽培をお願いしている酒米です。契約圃場に足を運んだり自社田での試験栽培に取り組んだりして栽培法や酒質との関連性も研究しています。
- 2.米を磨く click
大切な酒米を丁寧に自社内で精米
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「杜の蔵」では大切な酒米を自分たちの手で丁寧に磨くとともにその年の米質特性を把握することを目的に自社で精米しています。
食米は玄米の大きさに対して90~92%程度なのに対し、当社の酒米は40~65%程度になるまで磨きます。米の外側ほどタンパク質やミネラル等が多く、これらが多すぎるとお酒になった時に雑味になりやすいのがその理由ですが、米を小さく磨くことだけが重要なことではないのでそれぞれ目標とする酒質にあわせて精米歩合を決定します。
- 3.米を洗う・水に浸ける click
時間を計って限定吸水
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磨いた酒米を一定期間おいて米の温度と水分を安定させた後、素早くかつきれいに洗って糠を落とします。米の吸水率は水に漬ける時間によるので、この作業ではストップウォッチを使い秒単位で時間を計ります。米の品種や精米歩合、蒸した後の使途などによって最適の吸水率とします。
- 4.米を蒸す click
目指すは“外硬内軟”の良い蒸し米
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洗米の翌朝に酒米を蒸します。
蒸すことによって米のデンプン質をα化させて、後の工程で麹菌や酵母が働きやすくすることが
一番の目的です。理想的な蒸し米とは“外硬内軟”(=しっかり蒸せていて程良い弾力があり、
表面はべとつかない)の状態です。
- 5.麹をつくる click
米に麹菌をつける“最重要工程”
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適温まで冷ました蒸し米を麹室(30度前後に設定)に引き込み種麹を付着させた後、こまめな
作業で温度管理をしながらおよそ45~50時間かけて米の表面や内部に麹菌を繁殖させます。
ここでは米に麹菌をつけてデンプン質をブドウ糖に分解するための酵素等をつくらせるのが目的です。
酒づくりは『一麹、二酛(酒母)、三造り(醪)』と言われるほど大事なのがこの製麹で、体力も神経も非常に使うところです。
- 6.酒母(酛)をつくる click
酵母を増やして仕込みの土台をつくる
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発酵の主役である酵母を純粋かつ大量に培養して仕込みの土台となる酒母をつくります。
米麹・水と蒸し米を仕込んだタンクの中で成分と温度の管理をしながら“デンプンの糖化”と“酵母の増殖”のバランスをとり、およそ2週間前後かけて健全な酒母を育てていきます。
- 7.醪を育てる click
三段仕込みと温度管理が酒質の決め手
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添仕込み・仲仕込み・留仕込みと3回に分けて米麹・水・蒸し米をタンクに仕込みます。
三段仕込みにする理由は酵母が増殖する速度に合わせて醪の規模を徐々に大きくすることで安全に発酵を進めるためです。
また、一つの醪の中で糖化と発酵が同時に行われるのが日本酒の特徴(並行複発酵)で、
そのおかげで醸造酒の中では異例の高アルコール度数になるまで発酵が進みます。
醪の成分変化や温度を細かく管理しながら、およそ1ヶ月かけて醪を育て上げます。
- 8.上槽(じょうそう)する click
醪を搾って酒と酒粕に分ける
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発酵を終えた醪を搾って酒と酒粕に分ける工程で、醪を搾る装置のことを“槽(ふね)”と呼ぶことから上槽(じょうそう)と言います。
搾り方には大別して2つの方法があります。醪を酒袋に入れて槽に積み重ねたりして搾る方法と、大型の圧搾機に醪を送り込み圧力をかけて搾る方法です。
ちなみに「雫酒」というのは醪を入れた酒袋を吊るして垂れてきたお酒、また「斗瓶採り」というのはこのような贅沢な酒を18L入りの瓶に取り分けたお酒のことです。
- 9.濾過・火入れ・貯蔵・割り水 click
酒づくりの仕上げ
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搾りたての原酒は、必要に応じて濾過や火入れ(酵母の働きを止めて品質を安定させるための加熱殺菌)を行います。
ちなみに濾過をしないのが無濾過、火入れをしないのが生酒、水を加えてアルコール度数の調整をしないのが原酒です。
これらの工程はいわば最後の仕上げです。商品化のために非常に重要であり、かつ気を遣わなければならないことは言うまでもありません。
「杜の蔵」ではフレッシュなまま出荷する商品もありますが、大部分は品質設計に合わせてそれぞれに適した期間と温度で貯蔵熟成させた後、商品として皆様のもとへお届けします。
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