麹について
麹(こうじ)とは
「麹」(こうじ)とは、
蒸米など穀物に麹菌(こうじきん)を繁殖させたもの。
わたしたちがおいしいと感じる味のもととなるもので、
味噌、醤油、酢、みりん、そして日本酒、焼酎も、
わたしたちの食卓に並ぶものの多くに「麹」(こうじ)
が使われています。
麹の最大の魅力。
それは、食べものをおいしく変身させるということ。
麹菌という微生物が生み出す酵素のはたらきによるもの。
麹菌には、100を超える酵素があるとも言われています。
中でも主要なものが、アミラーゼとプロテアーゼという酵素で、
それぞれ、でんぷんをブドウ糖に、たんぱく質をアミノ酸に分解し
甘味、うまみを生みだし、食材のおいしさを引き出します。
また、高い栄養価も大きな魅力です。
リパーゼという酵素が脂質を分解し、
麹に含まれるビタミンB群が代謝を高めてくれるほか、
乳酸菌が腸内環境を整えてくれることで、
免疫力アップや美肌に繋がるなど、
健康・美容効果が数多く認められています。
百福蔵の「麹(こうじ)」づくり
麹づくりは、
酒造りでももっとも鍵となる工程のひとつ。
代々の杜氏、蔵人たちが受け継いできた技で育む
麹には、
純米酒蔵だからこそ、
上品で奥深いおいしさがあります。
●米を育てる●
百福蔵の麹には、
福岡県内で契約栽培をお願いしている酒米
「山田錦」と「夢一献」を使っています。
米作りに情熱を傾ける契約農家の皆さんとともに、
わたしたちも契約圃場に足を運び、
安心のおいしさを育てています。
●米を磨く●
酒米を丁寧に磨いてから使うことにより、
うまみのバランスがとれ、
百福蔵ならではの上品なおいしさが生まれます。
●米を洗う・蒸す●
磨いた酒米は、水できれいに糠を落とし、
水に浸して温度と水分量を安定させます。
そして甑(こしき)と呼ばれる蒸し機で蒸します。
水分を好む麹菌が内側まで繁殖できるように表面は
べとつかず、内側はしっかりと蒸し上がった状態を
つくります。
●麹をつくる●
適温まで冷ました蒸米は、「麹室(こうじむろ)」へ。
温度が低すぎたり、高すぎたりすると、
麹菌の増殖は止まってしまいます。
酒造りが盛んになる真冬でも、
麹菌が繁殖しやすい30度前後に設定された中で、
まんべんなく黄麹菌を植えつけていきます。
菌の活動が活発になると上昇する麹の温度をこまめに
調整し、適温を保つことおよそ2日間、
米の表面・内部まで、しっかりと菌を繁殖させ、
独自のうまみを作り上げていきます。